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松尾の住宅

建築場所 岡山市北区松尾
建築年 2017年
面積 132.07㎡(39.95坪)
構造 木造2階建住宅
種別 新築

古材と漆喰、天然石が語るアンティークの記憶。吹き抜けに息づく、海外住宅の温度

外壁にあしらわれた天然石が、この家がただのデザイン住宅ではないことを告げています。
内部に入ると、古材の梁、漆喰の白、無垢の床が重なり合い、長い時間をかけて育まれた空間のような落ち着きが漂います。
新築でありながら、どこか懐かしく、初めて来たのに「帰ってきた」と感じさせる ―― そんなアンティークの気配に満ちた住まいです。


天然石のアクセントが刻む、ファサードの表情

外壁の要所にあしらわれた天然石が、シンプルになりすぎない外観の骨格をつくっています。
石の不均一な表面が光と影を複雑に受け止め、時間帯によって表情を変えながら、この家の個性を静かに主張しています。
オリジナルの木製ドアと組み合わさることで、ヨーロッパの石造り住宅を思わせる重厚な入口が完成しています。


古材と化粧梁が天井に刻む、時間の痕跡

ダイニングの上空を横断する古材と化粧梁は、この家で最も饒舌な素材です。
使い込まれた木の色、節や割れが刻む模様が、新築の空間に「記憶」を持ち込み、アンティーク住宅特有の深みをつくり出しています。
梁の下で食卓を囲む時間は、どこか旅先のカントリーハウスで過ごす夜に似た、静かな豊かさを帯びています。


漆喰の塗り壁と無垢フローリング ― 素材が生む、空間の温度

壁を覆う漆喰の塗り壁は、職人の手が生む微細な凹凸が光をやわらかく拡散させ、室内に均一ではない、息をするような白さをもたらします。
足元の無垢フローリングは、踏むたびに木の弾力と温もりを足裏に伝え、素材の本物らしさを日々の暮らしの中で体感させてくれます。
漆喰の白と無垢材の色が層をなすことで、空間全体に有機的な奥行きが生まれています。


吹き抜けとオリジナル壁面収納 ― リビングに宿る、開放と造作の妙

リビングの吹き抜けが垂直方向の解放感をもたらし、古材や石の重厚さと対比することで、空間に軽やかさと奥行きを同時に成立させています。
壁面に造作されたオリジナルの壁面テレビ台は、既製品では出せない収まりのよさで空間に馴染み、リビングの主役であるテレビ周りをすっきりと整えています。
造作ならではの一体感が、この家のインテリアに一本の筋を通しています。


古材、天然石、漆喰、無垢材 ―― 時を経た素材と、職人の手仕事が交差するこの家には、新築では珍しい「育ってきた空間」のような空気が宿っています。
アトリエクオーレは、素材の記憶を丁寧に扱いながら、「旅先のような日常」を一棟ごとに設計しています。

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